悲しくないのに…高齢者に多い「涙が止まらない」目の病気
悲しかったり、悔しかったりしたときも、涙の分泌量は増えて目から滴り落ちる。しかし、なんでもないのに涙がこぼれるのは、「流涙症」という目の病気だという。流涙症になると、目ヤニがたまったり、涙で視界がぼやけたり、目周囲の皮膚がただれたりする。放置すると、細菌感染して涙嚢炎を起こす恐れがあり、目頭の発赤や腫れなどが出る場合もある。
「流涙症には、分泌性流涙症と導涙性流涙症があります。分泌性流涙症は角膜に傷ができたり、アレルギーなどにより目の表面が過敏になって、涙が過剰に分泌されるタイプの流涙症です。導涙性流涙症は涙の排水管である涙道などが詰まり、涙が鼻から喉に落ちにくくなるタイプです」
■ドライアイが潜んでいる可能性も
分泌性流涙症にはいくつかの目の病気が関係している。
「涙には基礎分泌性涙と反応性涙の2種類があって、高齢者の場合は基礎分泌は減っているにもかかわらず、反応性涙が過剰に分泌されているケースがあります。患者本人は流涙症だと感じて病院を受診するのですが、実際に必要なのはドライアイの治療ということもしばしばあります。ドライアイの場合には、水分を目の表面に保持するヒアルロン酸、涙を絞りだすジクアホソル、角膜の滑りを改善するレバミピドという目薬などが処方されます」