「マイボーム腺機能不全」の適切な治療で目の不調が改善される 初のガイドライン登場
目の不調を招く「マイボーム腺機能不全」の初の診療ガイドラインが今年2月に発表された。
「診療ガイドラインができたことで、うまくマネジメントできていなかった患者さんに、適切な治療が行われるようになると考えています」
こう話すのは、東京慈恵会医科大学眼科講師の田聖花医師。
まつげの縁には、マイボーム腺という皮脂腺がある。マイボーム腺機能不全、略してMGDは、マイボーム腺の細胞の減少、活性酸素による油の質の酸化などさまざまな理由でマイボーム腺の機能に異常をきたし、油の分泌が不十分になったり、油の質が悪くなったりすることをいう。
「マイボーム腺の油にはたくさんの役割があります。涙を覆い蒸発を防ぐ、まぶたの縁から涙が流れ出るのを防ぐ、まばたきの潤滑油、目の表面における涙の広がりと安定性を増す、目を閉じた時の上下のまぶたの隙間を埋める、感染を防ぐ、などです。この油が分泌されなかったり、質が悪くなったりするわけですから、ドライアイをはじめとするさまざまな不調が生じるのです」(田医師)