池田陽子
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池田陽子薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト

薬膳アテンダント・食文化ジャーナリスト・全日本さば連合会広報担当サバジェンヌ。国立北京中医薬大学日本校(現・日本中医学院)で国際中医薬膳師資格を取得。近著「1日1つで今より良くなる ゆる薬膳。365日」が好評発売中。

【菊花】こもった熱を冷まし、薬膳では目のトラブルに必ず使われる

公開日: 更新日:

 花粉症は症状によって対策が異なりますが、目にトラブルが起きる場合は、おおむね身体の上部に余分な熱がこもっている状態と考えます。

 さらに目は、中医学で「肝」と呼ばれる臓器と関係が深く、肝の機能が低下すると、目の疲労につながりやすいといわれています。じつは、春は肝と関連の深い季節。気温の上昇とともに体内のエネルギーも高まり、それに伴い肝の働きが過剰になって、バランスを崩しやすいのです。つまり春はそもそも目のトラブルが多い季節で、花粉の影響も受けやすいのです。

 改善のためには、体の上部の熱を冷まし、肝をサポートする食材を取り入れることが大切です。

 おすすめは菊花。乾燥させたものは生薬としても使われ、薬膳において目のトラブルには必ず使われる食材です。身体の上部にこもっている熱を冷まして、花粉症による目の不調をスッキリさせるのに役立ちます。疲れ目、目の充血、ドライアイなどにもよく、まさに「目薬」のような存在なのです。花粉症による鼻やのどのかゆみ、鼻づまりにも効果があります。

 また、ストレス解消にも効果大。ストレスがたまっている状態とは、中医学では人間のエネルギー源である「気」の流れが滞った状態と考えます。気の巡りは西洋医学の自律神経に重なり、そのコントロールがきかずに精神不安定となり、イライラしたり、怒りっぽくなると考えます。菊花は気の巡りをスムーズにして、イライラした気分を鎮めてリラックスさせてくれる働きがあるのです。

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