攻めのリハビリで「評価」が重要なのはなぜか?
⑤言語面は、発語が可能で会話が明瞭かどうかを評価します。会話明瞭度評価は5段階で、1が「よくわかる」、5が「まったく理解できない」と評価します。発語ができなかったり、言葉の意味が理解できなくなる失語症は、「標準失語症検査(SLTA)」で評価します。SLTAでは、聴く、話す、読む、書く、計算する能力について、それぞれの正答率を100点で判定します。重症失語症の軽快には3~5年を要します。
⑥嚥下面の評価は「藤島摂食・嚥下能力グレード」が簡単に実施できます。日本摂食嚥下リハビリテーション学会医療検討委員会の委員長を務めた藤島一郎氏(現浜松市リハビリテーション病院特別顧問)によって提唱された診断ツールで患者が食べている状況をそのまま10段階で評価できます。評価した嚥下障害の程度に応じ、食べる訓練を行う一方で、その患者さんが食べられる=のみ込める食事の形態を分類します。ペースト食、ソフト食、きざみ食、一口大、軟菜食、常菜の6段階に分けるのです。さらに、とろみの程度や必要なカロリー量とタンパク量を考えて、おいしい食事を提供します。
■評価と効果が明確になって初めて治療になる