猛暑では「口の中」の健康も危ない…飛び込みで来院する患者が急増
■免疫力低下と糖分過剰が要因
「暑さに対応するために自律神経がフル回転を強いられて疲弊すると、免疫力が低下します。また、暑さによる睡眠不足も免疫力の低下を助長します。さらに、夏は汗をかく機会が増えて体内の水分量が減ったり、暑さによる疲労やストレスによって唾液量が少なくなってしまいます。唾液には、口腔内の細菌やウイルス、食べ物のカスなどを洗い流す作用があります。ですから、唾液量が少なくなると、口腔内細菌のバランスが崩れて虫歯菌や歯周病菌が優勢になり、症状が一気に進行してしまうのです」
また、体内の水分が減って喉が渇く夏は、こまめに水分補給するために、炭酸飲料やスポーツドリンクなど糖分を含む飲み物を時間をかけて少しずつちびちびと飲む人も多い。この行為も虫歯や歯周病の悪化を招くという。
「糖分は虫歯菌がもっとも好むエサになります。虫歯菌は口腔内の糖分を分解するときに酸を産生します。その酸が歯の表面のエナメル質を溶かして虫歯になるのです。通常であれば、虫歯菌が産生した酸は唾液によって中和され、溶けた歯の表面は修復されるのですが、長時間にわたって糖分が摂取され続けると、唾液による修復が間に合わなくなるのです。また、糖分だけでなく、酸性度が高い飲み物でも、歯の表面は溶けてしまうので、糖質オフの炭酸飲料も要注意です」