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永田宏長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

日本の薬は大丈夫か?(4)今こそ薬を使わない医療への転換を

公開日: 更新日:

 今後は中国もインドも人件費が上がっていることから、原薬の価格は徐々に値上がりするはずです。しかも日本は円安という問題を抱えています。対ドルだけでなく、人民元やインド・ルピーに対しても円の価値が下がり続けています。

 数年前、半導体不足が問題になりましたが、そのとき「買い負け」という言葉をよく耳にしました。日本企業は相場に見合った価格を提示できず、必要な量の半導体を買えなかったわけです。それと同じことが原薬でも起こりそうです。

 もっと薬価を上げるしかないのですが、それでは健康保険などの保険料をさらに上げなければなりません。そこで保険料を上げなくても済むように、できるだけ薬を使わない医療に切り替えていくことが大切になります。とくに日本では、高齢者のポリファーマシー(何種類もの薬を飲むことによる健康被害)が問題になり始めています。処方を増やすより減らすほうが、むしろ健康になれるかもしれません。いまはそうした見直しをする、いい意味での曲がり角に来ているのかもしれません。
=おわり

(長浜バイオ大学バイオデータサイエンス学科・永田宏教授)

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