注射いらずのインフルエンザワクチン「フルミスト」の効果 10月から接種スタート
注射型ワクチンの場合、12歳未満の小児では1シーズンにつき2回の接種が推奨され、ワクチンの効果の持続期間は5カ月ほどだが、フルミストは1回の接種で済むだけでなく、約1年の効果があるという。五良会クリニック白金高輪では、1回9000円(税込み)で完全予約制で行われている。
「接種後の副反応として、鼻水や鼻づまり、咳、頭痛などが報告されています。また生ワクチンであるフルミストは弱毒化したインフルエンザウイルスが含まれるので、妊娠中の方、HIV感染者や抗がん剤治療中などで免疫力が低下している方のほか、周囲に免疫不全者がいる人に対しては接種できないケースがあります。事前に医師に確認するようにしてください」
気になるのが大人の接種だ。最も早くフルミストが認可されたアメリカでは、接種適応年齢が49歳以下と、日本と比べて年齢が幅広く設定されている。
「認可から20年以上の歴史があるアメリカでは、使用実績の多さから小児だけでなく大人に対する効果や安全性が確認されています。しかし、日本で行われた第Ⅲ相試験で効果と安全性が確認されたのは小児・青年期のみで、成人に対する長期的なデータは集計されていません。今後、臨床データが蓄積されれば、アメリカのように日本でも成人に対する適応拡大が期待できるかもしれません」
現在、一部のクリニックでは、49歳以下に任意接種を行っているという。注射の痛みからインフルエンザワクチン接種をためらっているなら、医師に相談したうえで検討してはどうか。