その不調は更年期障害かもしれません(3)度重なる物忘れでミスが増え休職を余儀なくされた
日本医療政策機構の「働く女性の健康増進に関する調査2018」によると、「現在または過去に更年期症状や更年期障害があった」と回答した人は約42%だった。
ただ、更年期障害で代表的なのぼせ、ほてり、イライラの症状はほんの一部で、その他の症状を含めると、更年期障害が疑われる女性の数はさらに多いと推測されている。今回は、認知症に似た症状から更年期障害が疑われたケースを紹介する。
化粧品会社に勤務する47歳の女性は、昨年春、子供が大学進学を機に実家を出たのをきっかけに夫婦2人の生活を開始した。一人息子だったこともあり、寂しさは多少あったものの、週末は夫と共通の趣味であるテニスをしたり温泉旅行に行くなど、19年ぶりの2人きりの時間を楽しんでいた。異変が起きたのはその年の11月。夕方になるとソワソワしだし、職場から帰宅するととてつもない孤独感に襲われ、理由もなく涙があふれた。
仕事ではチームを束ねる立場にあったが、ミーティングの内容を理解できず、打ち合わせでは取引先の担当者の名前を思い出せないミスが続き、上司から叱責されるように。その後は趣味のテニスもおっくうと感じるようになり、週末は一日中部屋でボーッと過ごす生活が約3カ月続いた。