最期の点滴はどうする? 枯れたように…患者さんにとっては楽な旅立ち
在宅医療の現場では点滴が必要になることも少なくありません。
一般に人間の水分量は、成人男性で体重の約60%、子どもでは70~80%といわれています。その水分を患者さんの口から取れていれば問題はありませんが、何らかの理由で口からの摂取が難しくなった場合に点滴が行われます。
点滴の最大の特徴は、血管から直接投与されるために、速やかに全身に回ることだといえます。
そしてこの点滴の目的はさまざまです。例えば発熱時。体内の水分量が減少して脱水症状となるのを防ぐために水分補給が必要となりますが、口から水分を取ると嘔吐や下痢を起こしてしまうことがあります。そういう時に点滴が役に立ちます。
それもただ水分補給をするだけでなく、ナトリウムやカリウム、カルシウム、マグネシウムなどといった筋肉細胞や神経細胞の働きに関わる電解質といわれる成分が含まれた点滴を投与する場合が少なくありません。
胃や大腸などの消化管の病気を患ったり、手術直後で口から食事を取れなくなった患者さんの場合では、口から栄養を取る代わりに、エネルギー源となる糖質や脂質、タンパク質、ミネラル、ビタミンなどの補充を点滴により行います。