最期の点滴はどうする? 枯れたように…患者さんにとっては楽な旅立ち
その他、特殊なケースではありますが、毒物をのみ込んでしまった時や大量に薬物を摂取したために急性中毒となった患者さんの治療法として、緊急に利尿薬とともに点滴をし、毒物の排泄を促すことがあります。
しかし、そんな点滴もお看取りが近くなった患者さんの場合は話が少し違ってきます。
よくお看取りが近くなった患者さんのご家族から、弱っていく患者さんの姿を見かねて、点滴を入れてほしいとの要望をいただくことがあります。ですがお看取りが近くなると、水分や食べ物が欲しくなくなるものなのです。
患者さんの体は水分や食べ物を受け付けなくなり、徐々に脱水状態になっていきます。これは意識が薄らいできて、本人にとっては楽な状態になるといわれており、一般的に、尿が出なくなったら2~3日くらいでお別れといわれています。
またその時は、低酸素血症もしくは末梢循環不全からくる、口唇や四肢末梢などの皮膚や粘膜が青紫色になるチアノーゼがみられたり、不規則な呼吸を繰り返したりします。
むしろ点滴を入れると腎機能が落ちた体はむくみ、かえって痛みを感じる人もいらっしゃるのです。