日本の心臓移植はどうあるべきか…あらためて議論するべき
心臓移植に関する動きはほかにもあります。昨年10月には、日本心臓移植学会と日本循環器学会が提案していた心臓移植順位の見直し案を厚労省が承認し、早ければ今年から運用されることになりました。
日本臓器移植ネットワークによると、昨年11月時点での移植希望登録者は824人いて、平均待機期間は3年11カ月ほどといいます。現在、心臓移植の順位は、補助人工心臓を装着中だったり、経皮的心肺補助装置などを付けていたり、集中治療室などで心臓の働きを助ける強心薬の投与を受けていたりする患者さんのうち、原則、待機期間が長い人から順に優先されることになっています。
しかし、患者さんの病状が悪化しても順番は変わらないため、待機期間中に死亡する患者さんも少なくありません。そうしたケースを減らすため、緊急度の高い患者さんが優先的に移植を受けられる枠を設けることになったのです。
拡張型心筋症や重症心不全などで心臓移植が必要な患者さんにとっては、心臓移植に関する環境がより整備されるのは大いに歓迎すべきことです。ただ、それでも日本の心臓移植の現状はまだまだ課題が山積みです。