著者のコラム一覧
堀田秀吾明治大学教授、言語学者

1968年生まれ。言語学や法学に加え、社会心理学、脳科学の分野にも明るく、多角的な研究を展開。著書に「図解ストレス解消大全」(SBクリエイティブ)など。

敬意を込めた「タメ口」が相手の心を開かせる…親近感を抱きやすくなる

公開日: 更新日:

 私事ですが、今年1月に「戦略的タメ口」(WAVE出版)という本を出版致しました。本書は、タメ口を使うことによって人間関係を向上させる方法を紹介しているのですが、以前、このコラムでもタメ口が役に立つことを説明しました。

 人間関係の距離感は、心理的な話でもあります。そのため、人間の心の動きに関する知識も必要です。言葉は人間の心とつながっているため、“現代言語学の父”と呼ばれる20世紀最高の言語学者ノーム・チョムスキー(マサチューセッツ工科大学教授)も、「言語学は心理学の一部である」と明言しています。

 タメ口ときくと、未熟な印象を与えてしまうのではないか……と思う方は少なくないと思います。しかし、気持ちを考慮することを忘れなければ、タメ口を使うアクションは、より豊かで微細なコミュニケーションを図ることができるツールにもなるのです。

 ところ構わずタメ口で話せば、失礼な印象を与えてしまうでしょうが、上手に織り交ぜていけば、相手の心を開かせる武器にもなるわけです。

 例えば、私たちは木村拓哉さんのことを、「キムタク」と親しみを込めて呼びます。「キムタク」以外にも、「松潤」(松本潤)、「たかみな」(高橋みなみ)という具合に、名字と名前の一部を組み合わせた呼び方で呼ばれる有名人はたくさんいます。有名人だけではありません。同僚や友人間でも、独特の呼称を持つ人はいるはずです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    大谷翔平の28年ロス五輪出場が困難な「3つの理由」 選手会専務理事と直接会談も“武器”にならず

  2. 2

    “氷河期世代”安住紳一郎アナはなぜ炎上を阻止できず? Nキャス「氷河期特集」識者の笑顔に非難の声も

  3. 3

    不謹慎だが…4番の金本知憲さんの本塁打を素直に喜べなかった。気持ちが切れてしまうのだ

  4. 4

    バント失敗で即二軍落ちしたとき岡田二軍監督に救われた。全て「本音」なところが尊敬できた

  5. 5

    大阪万博の「跡地利用」基本計画は“横文字てんこ盛り”で意味不明…それより赤字対策が先ちゃうか?

  1. 6

    大谷翔平が看破した佐々木朗希の課題…「思うように投げられないかもしれない」

  2. 7

    大谷「二刀流」あと1年での“強制終了”に現実味…圧巻パフォーマンスの代償、2年連続5度目の手術

  3. 8

    国民民主党は“用済み”寸前…石破首相が高校授業料無償化めぐる維新の要求に「満額回答」で大ピンチ

  4. 9

    野村監督に「不平不満を持っているようにしか見えない」と問い詰められて…

  5. 10

    「今岡、お前か?」 マル秘の “ノムラの考え” が流出すると犯人だと疑われたが…