「捻挫」はなぜ癖になるのか…埼玉県立大などの研究グループが初めて解明
動物実験では、ラットを15匹ずつ、足部不安定性群と偽手術群の2グループに分けた。足部不安定性群は、足首の靱帯の一部分を切断し足首をぐらつかせるようにした、いわば足首捻挫の群。偽手術群は、捻挫を起こしていない群だ。
そして、次の評価を行った。
・術後4、6、8週目に、捻挫の診断などに用いるテスト(前方引き出しテストと距骨傾斜テスト)で足首のぐらつきを評価
・術後2週間に1度、ラットにはしご状の上を走らせるなどして足首の感覚と運動機能を評価
・術後4、6、8週目に、無傷の前距腓靱帯の機械受容器(メカノレセプター)の形態と数を組織学的に解析
・術後8週目に、無傷の前距腓靱帯のメカノレセプターを形成する感覚神経を組織学的に解析
■カギは靭帯の受容体にあった
これらで明らかになったのは3つだ。
1 足部不安定性群(足首捻挫群)では、前距腓靱帯で形が崩れたメカノレセプターの割合が増えた
2 足部不安定性群では、前距腓靱帯でメカノレセプターの数が減少し、足首の感覚と運動機能が低下した