「捻挫」はなぜ癖になるのか…埼玉県立大などの研究グループが初めて解明
捻挫をした側の足首を、また捻挫してしまった──。「捻挫は癖になる」とよく言われるが、覚えがある人も多いのではないだろうか。
足首の捻挫は「足関節捻挫」という。ぐらついて足首をひねったことで、骨と骨をつなぐ靱帯が損傷した状態だ。足首は内側にひねりやすく、特に前距腓靱帯(足首を外側から支える靱帯)が過度に伸長され損傷されやすい。
この捻挫を繰り返さないようにするにはどうすればいいのか? 有効な方法につながる研究を行ったのが、埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科などのグループだ。
足首の捻挫を起こすと、やがて足首の感覚と運動機能が低下した状態である「慢性足関節不安定症(CAI)」になり、それによって捻挫を繰り返すようになる。研究グループの村田健児准教授(埼玉県立大学大学院保健医療福祉学研究科)が言う。
「これまでCAIを改善するリハビリテーションの研究は多く行われてきましたが、有効な方法は見つかっていませんでした。それは、足首の感覚と運動機能が低下したCAIになると、リハビリテーションでどうにかしようとしても難しいということではないか。そこで私たちは、足首の捻挫からCAIへ至らないようにするリハビリテーションが必要と考え、動物実験を行いました」