糖尿病専門医が勧める「16時間断食」とは? 痩せて免疫機能が高まる…メリットとデメリット
「食事が消化されるまでの時間は平均2~3時間、脂肪分の多いものでは4~5時間程度。食べ過ぎている人では、前の食事で食べたものが胃や小腸に残っている間に次の食べ物が運ばれ、胃腸をはじめ内臓が常に消化活動をしなければならず、働き過ぎになっている。加齢とともに消化能力は落ちるので、消化により時間がかかるようになり、内臓の働き過ぎに拍車をかけます」
働き過ぎによって内臓が疲弊し機能が低下すると、腸内環境が悪化。腸は免疫機能をつかさどるので、免疫機能も低下する。
「食べ過ぎは肥満の原因になりますし、活性酸素の過剰発生で体内の老化スピードを速めます。意識的に空腹の時間をつくり、内臓をしっかり休ませるべきなのです」
青木医師が「16時間断食」を始めたきっかけは2010年、40歳の時に自身が舌がんにかかったことだった。幸いにも舌がんは早期で治療によって除去できたが、エビデンスのある再発予防法を取り入れたいと国内外の論文を検索。行き着いたのが、1日のうち16~18時間を食べないで過ごす間欠的断食だった。研究ではがん予防、生活習慣病、アルツハイマー病などの予防に効果的と示されており、肥満対策にも効果的。専門分野の糖尿病に有用であることも着目ポイントだった。