「離島の光と影」波名城翔著
「離島の光と影」波名城翔著
「離島」に対しては「時間の流れがゆっくり」「人がやさしい」など、ロマンチックでポジティブなイメージを持ち、都会というジャングルを離れて離島に旅行に行こうと考える人も多い。
著者は沖縄の宮古島で生まれ育ち、市役所職員として勤務、仕事として自殺対策に携わってきた。自殺者は毎年10人から15人。離島はユートピアと思われがちだが、現実は人口減少と高齢化、物理的に逃げ出せない環境、人の強すぎるつながり、低収入による生活苦、精神科医療体制の脆弱さなどの課題が山積みだ。
精神保健福祉士がフィールドワークやインタビュー調査で離島の自殺を調査した貴重なリポート。 (新評論 3080円)