著者のコラム一覧
石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

人工甘味料で動脈硬化が進行する可能性…基礎科学の専門誌で報告

公開日: 更新日:

 ダイエット健康のために、砂糖などが入った清涼飲料水をやめて、人工甘味料の入ったカロリーゼロのジュースなどを飲まれている人は多いと思います。それでは、人工甘味料に健康リスクはないのでしょうか?

 カロリーがないのだから問題がない、という意見がある一方で、動脈硬化を進行させるのではないか、という気になる報告もあります。どちらが正しいのでしょうか?

 今年の基礎科学の専門誌に、興味深いデータが報告されています。アスパルテームという広く使用されている人工甘味料を、実験動物のネズミに飲ませたところ、血液のインスリン濃度が増加して高インスリン血症の状態になりました。

 インスリンは血液のブドウ糖の増加に伴って、膵臓から分泌されるホルモンですから、人工甘味料では上がらないはずなのですが、実際には増加していたのです。その原因は副交感神経という自律神経の働きであることも確認されました。インスリンが多い状態が続くと、動脈硬化が進行しやすいことは証明されている事実です。そして、実際にアスパルテームを取ることで動脈硬化が進行することも、今回の実験で確認されたのです。

 これはまだネズミの実験の結果なので、それがそのまま人間にも当てはまるかどうかは分かりませんが、人工甘味料は安全とは限らないという認識を、私たちは持っていた方がよさそうです。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    朝ドラ「あんぱん」教官役の瀧内公美には脱ぎまくった過去…今クールドラマ出演者たちのプチ情報

  2. 2

    中井貴一の“困り芸”は匠の技だが…「続・続・最後から二番目の恋」ファンが唱える《微妙な違和感》の正体

  3. 3

    大阪万博会場の孤島「夢洲」で水のトラブル続出の必然…トイレ故障も虫大量発生も原因は同じ

  4. 4

    渋谷区と世田谷区がマイナ保険証と資格確認書の「2枚持ち」認める…自治体の謀反がいよいよ始まった

  5. 5

    Kōki,主演「女神降臨」大爆死で木村拓哉がついに"登場"も リベンジ作品候補は「教場」か「マスカレード」シリーズか

  1. 6

    森友文書の一部欠落で財務省が回答…公表された概要リストに「安倍昭恵」の名前

  2. 7

    巨人阿部監督がオンカジ送検の増田大輝を「禊降格」しないワケ…《中心でなくても、いないと困る選手》

  3. 8

    早実初等部を凌駕する慶応幼稚舎の人脈網…パワーカップルを惹きつけるもう一つの理由

  4. 9

    オンカジ騒動 巨人オコエ瑠偉が「バクダン」投下!《楽天の先輩》実名公表に現実味

  5. 10

    迷走続く「マレリ・ホールディングス」再建…金融界の最大の懸念は日産との共倒れ