赤外線応用商品も多いが…スマートウオッチで「血糖値」は本当に測れるのか
じつは血液中のブドウ糖(血糖)は、特定の周波数の赤外線をよく吸収する性質を持っていることが知られています。その性質を利用した血糖値測定装置の開発も、1990年代から始まっていました。とくに中赤外線(波長2100~2300ナノメートル)を特異的に吸収するため、血糖値を測るのに適していることも分かっています。
しかしセンサーの小型化が難しく、ウオッチへの搭載はまず無理です。卓上サイズなら作れるので、いずれ家庭用の装置が開発され、安く買えるようになるかもしれません。
ウオッチへの搭載に適しているのは、近赤外線(波長1400~1700ナノメートル)です。水分や皮膚の状態の影響を受けやすいため、中赤外線ほど精度はよくないのですが、センサーを小型化できるメリットがあります。ネットで売られている、ちょっと怪しげなウオッチなども、近赤外線を使っているはずです。ただし、日本の薬機法やアメリカのFDA(食品医薬品局)の認証を得たものは、ひとつもありません。
しかし血糖値が測れるウオッチの潜在市場は巨大です。そのためアップルやグーグルをはじめとする大手各社は、開発を続けています。数年以内に実用的な製品が出てくるかもしれないので、それまで待つほうがいいでしょう。