飲食店の省人化が激しいけれど…「ごちそうさま」の挨拶ぐらいは交わしたい
悪質クレーマーとまでは言わないが、口うるさい客に心が折れて辞めてしまうスタッフも多いらしい。で、さらに人手不足という悪循環。
「それもあって、セルフオーダー、セルフレジと省人化、システム化せざるを得ないわけです」(前出の30代店長)
もっとも、その省人化に不満を感じているのも中高年だったり……ITベンチャーに勤める40代マネジャーがこう話す。
「券売機でチケットを購入して、番号で呼ばれて黙食。食器を返して店を出るまで無言。システムをつくる側の人間が言うことでもないですが、あまりに機械的すぎて味気ない。最近、そういう店は足が遠のきがちです」
■若い世代はコミュニケーションに飢えている?
生活経済ジャーナリストの柏木理佳氏は先日、立ち寄ったバーで、たぶん一見の若い男性客が、中年の女性バーテンダーに悩みを打ち明ける姿を見かけたそうだ。
「飲食店しかり、今どきは誰かと言葉を交わせる場所が減ってきて、それに飢えている若い世代も意外と多いのかな、と。省人化が進む一方、マクドナルドのようにシニア人材を活用する企業もある。むしろ経験豊富なシニアの丁寧な接客が好評だったりします。システム化は過渡期。現時点ではシニア人材を活用するほうが、飲食店にとってもメリットがあるように思いますけどね」
せめて「ごちそうさまでした」「ありがとうございました」ぐらいの挨拶は交わしたい。