「レインボー柄の靴下」裁判始まる 裁判所による傍聴者への服装制限は妥当か?
福岡地裁で同性婚訴訟を傍聴しようとした男性が、レインボー柄の靴下を理由に制限を受けたことを不当とし、国に損害賠償を求める1回目の裁判が13日に行われました。
この男性は、裁判所の職員から靴下の柄を隠すように求められ、仕方なく柄の部分を内側に折り曲げて入廷したそうです。
裁判の傍聴は、憲法が保障する「裁判の公開」の原則に基づく、誰もが持つ権利です。本件は、裁判所が秩序を維持するために行使できる「法廷警察権」の運用が適切だったのかを問う、重要な裁判となります。
今回問題となっている法廷警察権とは、裁判の秩序を維持するために裁判長や裁判官が行使できる権限のことを指します(裁判所法71条)。たとえば、法廷内での騒音、不規則発言、示威行為など、裁判の公正な進行を妨げる行為があった場合、裁判長は退廷を命じることができます。過去には、裁判所が法廷警察権を行使し、傍聴席でのメモ取りを禁止したことがありましたが、最高裁はこれを「合理的根拠を欠く」と判断し、裁判所の対応が違法であると認定した事例もあります。