グローバルモビリティサービス 中島徳至社長(1)大企業を3年で辞めて起業家へ転身
「最初は全然相手にされませんでした。リコーユーザーを担当する同期が羨ましかったですよ。どうして自分は、先輩でも歯が立たない他社ユーザーなのかと。会社は平等じゃないと悟りました」
それでも足しげく通ううちに担当者の信頼を勝ち取り、見積もりうんぬんという話になる。その信頼を形にすべく、なるべく客に有利な条件でまとめようと上司に掛け合うが、利益が絡むことゆえ、そう簡単にはウンと言わない。しばらくは、その板挟みに苦しんだという。
「いくらお客さんにいい顔をしても、会社で信頼される人間にならないと物事は進まない。仕事においては、いかに周りを巻き込んで、理解してもらうかが大事だと学びました」
3年目でようやく努力が実を結び、営業成績でも結果を出せるようになった。しかし中島は、4年目を待たずに退職。理由は、大企業ならではのジレンマだった。
「仕事は楽しかったのですが、入社後知った、閉ざされた中でつくり上げられるキャリアパスの存在を知り、頑張ったその先の将来に不安を覚えてしまったのです」