株の「売り方」に転じた日銀…市場へのプラスとマイナス
その一方で日銀は、かつて地銀など金融機関から引き取った株式を少しずつ市場で売却している。総額3兆円を16年から10年計画で進めている。そのため、昨年はETF購入額よりも株式売却額の方が大きかったことから、日銀が初めて「株の売り方に転じた?」などとニュースになったものだ。
こうした日銀の“転換”をどう見たらいいのか? 少なくとも株価下支えで市場をゆがめてきた日銀が「健全化」に向かっているといっていいだろう。それに、今回の株高に日銀のETF購入が寄与していないことは悪い話ではない。いざ株価下落が始まった際には日銀が下支えできる余力を残しているからだ。市場や投資家にとっては心強いことだと考えていいだろう。 (丸)