<第26回>フィギュアのプログラムはこうして作ります
シェイリーンはその印象を「変えよう」と言うのです。
彼女が選んできたプログラム曲の候補はいずれも明るめのものばかり。その中でも、特に推してきたのがブロードウェーミュージカルの代表作、「ウエスト・サイド・ストーリー」でした。
「誰もが知っている曲なので、オリンピックシーズンには向いている。でも、自分に合っているのか」
当初はそう感じましたが、改めて曲を聴いてみると、曲調に強弱もあり、会場のファンと一体になって盛り上がれそうな予感もしました。
「やってみよう!」
2人の意見が一致して選曲が終わると、次は振り付けです。
フリーの演技は4分間。長い曲のどの部分を使って、どんなジャンプ、ステップ、コンビネーションを組み合わせていくか。難しい作業です。
振付師によってプログラム作りの流れは異なりますが、シェイリーンはプログラムの冒頭から順に細かく作りあげるスタイル。最初は観客や審査員の印象を残すのに重要なオープニング部分の振り付けです。
「とにかく音楽に合わせて、いろいろなステップやジャンプをやってみて!」
彼女にそう言われてリンクに向かいました。(つづく)