データのプロ指摘 巨人は「先制逃げ切り」への“体質転換”急務
六回を終えて同点か、リードした試合を比べると、2位の原巨人は24勝5敗、中畑DeNAは24勝6敗。すでに互角。六回で負けている状態では4勝16敗と5勝14敗。ここも僅差だ。
9回を3イニングに区分した現在の巨人は、得点が順に54、51、52。失点は51、49、34。終盤の投手力だけを頼りに優勝することなど不可能。序盤の得点を先発投手が守り切る「体質転換」が必要だ。
■必要なのは阿部の打線牽引
メリハリのない攻撃力と序盤失点という悪癖をシーズン中に克服したのが75年初優勝の古葉広島である。7月まで3イニング区分の得失点差を見ると順にマイナス5、28、マイナス2のイビツさを8月以降で27、6、28へ電撃修正してみせた前例がある。外木場義郎が20勝し、池谷公二郎は18勝。山本浩二、衣笠祥雄が打の両輪。初回から打つようになった。
原巨人は菅野智之、高木勇人が先発の両輪だが打撃が不安定だ。大田泰示はブレーク前。村田修一は期待薄。中軸の坂本勇人、阿部慎之助の牽引がやはり求められる。交流戦の初戦(西武戦)は、2人で7打点と爆発し序盤から加点。弾みになるか。
▽小野俊哉 1961年岡山出身。スポーツ・アクセス㈲代表取締役。早大理工学部卒、味の素、住友金属工業を経て、03年同社設立。プロ野球、メジャーリーグの記録を分析、評論し各メディアやメジャー球団に情報を提供している。