パ史上最速VのソフトB 「資金の使い方」は巨人が“反面教師”
象徴的なのがスカウティングと育成ではないか。
エース摂津(33)は08年のドラフト5位、今季はケガでほとんど出場していないが13年の首位打者・長谷川(30)は06年の5位、トリプルスリーを達成濃厚な柳田(26)は10年の2位、2年目のリリーバー・森(23)は13年の2位……他球団がほとんどノーマーク、あるいは下位にしか評価しなかった選手を積極的に獲得。遊撃に定着した今宮(24)や昨年の松本(19)ら、素質ある高校生を1位で単独指名しているのも特徴だ。セ・リーグのあるスカウトがこう言った。
「担当スカウトの報告をもとに最終的なチェックをして、どの順位で獲得するかを決めているのは小川スカウト室長と永山チーフスカウト。彼らが軸になって独自のスカウト戦略を立て、豊富な資金をつぎ込んでいる。例えば摂津は5位でも契約金5000万円、長谷川も5位で契約金4000万円、年俸1000万円で契約した。ドラフト5位の大学、社会人の相場をはるかに上回る金額を払っています。摂津を契約金2000万~3000万円の下位指名で獲得しようと考えていた球団も中にはありましたが、ハッキリと断られたらしい。あるいはソフトバンクがそれなりの契約金や年俸を出すことが事前に分かっていたのかもしれません」