パ史上最速VのソフトB 「資金の使い方」は巨人が“反面教師”
■年俸が下がったコーチも
昨年までソフトバンクの編成担当役員だった小林至氏(江戸川大学教授)がこう言う。
「二軍は一軍選手の調整の場でもあるため、育成に十分な環境とはいえない。ソフトバンクは11年から三軍制を敷き、四国アイランドリーグ、韓国プロ野球の二軍と試合をやっている。三軍には約20人の選手と9人の指導者がいて、フロントとも常に意見を交わし、個々の能力に合った育成法を取っている。年間に100試合以上ある二軍より、約80試合で練習中心の方がベターだと思えば二軍選手でも三軍に置く。ここから育ったのが山田(27)、千賀(22)、飯田(24)、(甲斐)拓也(22)、牧原(22)です。来春には筑後市に2つの球場と屋内練習場、選手寮などがある広大なファーム施設が完成。育成環境がさらに充実します」
目利きのスカウトが厳選して獲得した選手たちを恵まれたシステム、環境で育てているからこそ、大金も生きる。「だからといって、カネをバラまいているわけではありません」と、前出のOBが引き取ってこう言う。