羽生結弦を苦しめる靭帯損傷は「骨折よりめんどくさい」
――羽生選手はケガから1カ月が経っても、氷上練習を再開できずにいました。
「3週間も曲をかけないというのは、スタミナ的にも落ちちゃうので、なかなかキツイ。1週間でも元の状態を取り戻すのは大変。ただ、足首をケガすると、何もできないんですよね。自転車と水泳と……。それでも、同じだけの心拍数が上がらないので、体力も感覚も落ちてしまう」
――村主さんも安静期間は長かった?
「私は安静にしなかったから、逆に長引いちゃいましたよ。何度も痛み止めの注射を打って滑った。(羽生も)最後の最後はそうするしかないんじゃないかな。でも、注射を打ってやったとしても感覚をマヒさせるだけなので、無理し過ぎちゃうというマイナス面もある」
――村主さん自身の五輪選考会の印象は。
「オリンピックはホント、いろいろありますねえ。五輪に出た年の2回とも、後がない全日本だった。06年の時は股関節をケガしていて、それこそ全日本一本勝負でしたから。優勝しないと代表に選ばれなかったので、ピリピリ具合は半端じゃなかった。私は追い込まれないとやらないタイプなのかな。不真面目なわけじゃないんですけど、ある先生に『君は本当に不真面目だからね』と言われたことがあって(笑い)。結構、怠惰? のんびりしているから、お尻に火がついて初めてやるというのも一理あるかも、とは思いました」
(つづく)