敗れた日本戦でも露呈 コロンビアは不思議な“一流国”
南米大陸のサッカーは「進化論」の世界である。生き残り――つまり南米予選を勝ち抜くために、ブラジルとアルゼンチン以外の国は守備を発達させてきた。2010年南アフリカ大会の決勝トーナメントで日本が敗れたパラグアイは、その典型的な国だ。頑丈で、しつこい守備を磨き、ブラジルとアルゼンチンに対抗しようとした。
もうひとつの例がウルグアイだ。ウルグアイは欧州のトップクラブに「センターバック」を供給してきた。守備の中央に足元の技術があり、体の強い選手を配するのが、ウルグアイの伝統である。そして、そうした屈強で狡猾なセンターバックと向き合うことで、スアレスやカバニという強いフォワードが生まれた。中盤は省略気味であっても、彼らは素晴らしい守備のエジプトを1―0でねじ伏せたように勝負強い。
その意味でコロンビアは不思議な国である。
■「超一流」との差
コロンビアも守備は弱くない。しかし、それよりも目立つのは、時折現れる攻撃的な才能を持った選手である。90年大会ではバルデラマたちが世界を驚かせた。またイギータのような超攻撃的なゴールキーパーも、サッカーに対して保守的なブラジルでは認められないだろう。