敗れた日本戦でも露呈 コロンビアは不思議な“一流国”
ロドリゲスやファルカオ、Ju・クアドラードを擁した今回のコロンビア代表もその系譜にある。彼らはブラジルやアルゼンチンに拮抗する攻撃力を見せて、南米予選を勝ち抜いてきた。
ただし、その「拮抗する攻撃力」には“ハマれば”という前提がつく。
19日の日本―コロンビア戦。ブラジルやアルゼンチンならば、1人少なくなっても、そして1点リードされても、慌てることなく、まず「勝ち点1」となる引き分けを確保しただろう。そして体力の消耗を防ぎながら、数的優位な相手をじらし、逆に精神的に追い込んでいく。彼らには前線に1人で得点できるアタッカーがいる。「勝ち点3」を取られるならば、引き分けでいいという空気を醸成していくのだ。その守りに入ったときが、彼らの狙いどころでもある。ブラジルには「フッチボウ・エ・デターリャ」という諺がある。これは「サッカーは細部に宿る」とでも訳せるだろうか。試合の趨勢は、ちょっとしたプレーで決まるという意味だ。
そのちょっとした差を見逃さないのが本当に強い国だ。W杯優勝経験のあるごく一握りの“超一流国”と、“一流国”の差が、日本戦に表れたといってもいい。
もちろん今後、この大会でコロンビアが劣勢をはね返すかもしれない。そうなれば、彼らは超一流国との壁を少し乗り越えることになるだろう。