評論家が苦言 御嶽海初Vは「大相撲のレベル下がった証拠」
冒頭の中澤氏が言う。
「昔は『学生相撲は強くて三段目』といわれていたものです。それが、東洋大を卒業して入門4年目での優勝でしょう。これは学生相撲のレベルが飛躍的に上がったわけではなく、大相撲が学生レベルに落ちているだけの話。親方衆の指導力が落ちている証拠です。淡泊な相撲の増加が、それを象徴しています。手元にある私のメモを見ると、今場所の幕内の相撲で1分を超えた取組は一番もなかった。長くて、せいぜい40秒。平均取組時間も10秒を超えた日はなかった。本当にいい相撲だったと言えるのは、千秋楽で豊山が1敗の御嶽海を負かした相撲くらいです」
■白鵬は延命にしか興味なし?
いわば、大相撲の地盤沈下。それに拍車を掛けているのが横綱陣だ。今場所は19年ぶりに3横綱が全員休場するという異例の事態。稀勢の里(32)、白鵬(33)、鶴竜(32)は年齢的にも下り坂という事情があるにせよ、そもそも彼らに「横綱の責任を果たそう」という気持ちがあるか大いに疑問だ。
かつて休場知らずだった白鵬は、16年9月場所から数えて6場所も休んでいる。「朝稽古で右足をケガしたとのことですが……本当に出場できないほどの症状だったのか疑問です。なにせ、20年東京五輪の年まで現役を続けたい、と言っていますからね。無理をしないために休んだだけではないか」とは、前出の中澤氏。最高位の責任より、自身の延命にしか興味がないのは明らかだ。