稽古は完全復活…稀勢の里は“ノミの心臓”が本場所のネック
復活か引退かの場所に臨むにあたり、ようやく心身が整ったのだろう。内面にも変化が出てきた。休場中は口数も少なく、ぽつぽつとしかしゃべらなかった。それが最近は報道陣と談笑するなど表情も明るく、どこか吹っ切れた様子。写真誌には六本木で飲み歩く姿が撮られている。
■前売り券は1時間で完売
ただ、土俵の上でも実力を発揮できるかといえば不安は残る。この和製横綱が「ノミの心臓」であることは、角界では知らない者がいない。
稀勢の里が序盤に取りこぼすときは、決まって立ち合い負け。プレッシャーで集中力が途切れ、ふわっと立ってしまい、腰高で何もできずに土俵を割る。逆に集中しているときは強い。低い立ち合いで相手を圧倒し、左を差す。この時点で勝負あり、だ。
和製横綱の引退がかかる9月場所の前売り券は、販売開始からたった1時間で売り切れ。それだけ注目度は高い。「勝ち負けは関係ない。自分の相撲を取りきるだけ」と本当の意味で吹っ切れたのなら、期待できるのだが……。