近代野球の日本シリーズはリリーフ投手が勝敗のカギを握る
リリーフは登板した最初の打者を抑えてこそ意味がある。08年以降の10年間について調べると、シリーズで勝ったチーム、負けたチームそれぞれ登板最初のリリーフ被打率は.196、.200とほとんど同じ。よく抑えているが、打者2人目以降が大きく異なる。勝ったチームのリリーフは被打率.177(被出塁率.238)とさらに抑えている。負けた側は.258(.345)と打たれるか、四球を出している。投手の交代が後手に回ると痛い目に遭うことを示している。
2年前に日本ハムと対戦した広島の緒方監督には苦い経験がある。第5戦は抑えの中崎がマウンド上で独り相撲。九回裏に満塁被弾しサヨナラ負け。第6戦は八回に投入したジャクソンが相手投手に安打を許すなど絶不調でも代えず、結局レアードに満塁弾を浴び終戦。シリーズを壊してしまった。シーズンを任せた継投パターンより、短期決戦はそのとき通用するリリーフをどう見極め投入するか。この決断が監督に求められるということだ。