ドラフトに大打撃…中学校野球部が10年後に消滅の危機

公開日: 更新日:

 すでに危険水域に突入しているといっていい。

 日本中学体育連盟(中体連)が公表しているデータによれば、2018年の中学校の軟式野球部員数は全国で16万8800人。08年の30万5958人から10年間で約13万7000人も減った。09年からは毎年、1万~2万人のペースで部員数が減っている。10年後には中学校から軟式野球部員がいなくなる計算だ。

「危機的状況は指導の現場でも実感します」とは、元巨人の仁志敏久氏。仁志氏は12歳以下の日本代表である侍ジャパンU12の監督を務めるほか、野球教室などで小中学生への指導に携わる機会が多い。

「地方では特に、1学年で1チームがつくれず、技術的にも体力的にもまだ途上の下級生がレギュラーに加わらなければ練習も試合もできない、という学校が珍しくありません。それが物足りず、レベルの高い選手がシニアやボーイズなどの硬式チームに移籍し、いよいよ中学野球部が部員不足に陥るという悪循環も起きています。言うまでもなく、中学野球部も高校野球への重要な人材供給源です。ひいては、プロ野球ドラフト候補のレベルにも重大な影響を及ぼす問題でもある。中学校の部活動には週2日は休日を設けること、練習時間は1日2時間まで――など規制が多く、部員数の減少の他にも、レベルが低下する条件が揃ってしまっている。プロ野球界にとっても看過できない状況です」

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    フジテレビ問題「有力な番組出演者」の石橋貴明が実名報道されて「U氏」は伏せたままの不条理

  2. 2

    今思えばゾッとする。僕は下調べせずPL学園に入学し、激しく後悔…寮生活は想像を絶した

  3. 3

    芸能界を去った中居正広氏と同じく白髪姿の小沢一敬…女性タレントが明かした近況

  4. 4

    中居正広氏、石橋貴明に続く“セクハラ常習者”は戦々恐々 フジテレビ問題が日本版#MeToo運動へ

  5. 5

    元横綱白鵬「相撲協会退職報道」で露呈したスカスカの人望…現状は《同じ一門からもかばう声なし》

  1. 6

    広末涼子が逮捕以前に映画主演オファーを断っていたワケ

  2. 7

    大阪万博メディアデー参加で分かった…目立つ未完成パビリオン、職人は「えらいこっちゃ」と大慌て

  3. 8

    容姿優先、女子アナ上納、セクハラ蔓延…フジテレビはメディアではなく、まるでキャバクラ状態だった

  4. 9

    「白鵬米」プロデュースめぐる告発文書を入手!暴行に土下座強要、金銭まで要求の一部始終

  5. 10

    エンゼルス菊池雄星を悩ませる「大谷の呪い」…地元も母校も同じで現地ファンの期待のしかかる