この夏は「凶作」とスカウト嘆き 中国・四国は逸材1人のみ
「夏の甲子園は、不作も不作。いや、不作を通り越して、凶作だな」
セ・リーグのあるスカウトが、こう言ってタメ息をついた。
「四天王」といわれるドラフトの目玉投手4人のうち、甲子園に駒を進めたのは奥川(星稜)ひとり。佐々木(大船渡)も及川(横浜)も西(創志学園)も地方大会で姿を消した。
加えて「甲子園に出てくれば、投手でドラフト上位候補の井上(日大三)や落合(和歌山東)なんかを自分の目でチェックすることもできたんだけど……。野手にしても上位候補の多くが地方大会で負けちゃったからね。特にヒドいのが中国と四国。ウチのリストに名前が載っていて、なおかつ甲子園に出てくる選手は1人しかいないんだから。中国と四国を合わせて9校出るのに、チェックすべき選手が1人だよ、1人。今年の夏は担当が見落とした掘り出し物を探すしかないのかなぁ」と、前出のスカウトはボヤくのだ。
野球はチームスポーツだ。プロ注目の選手がいるからといって勝てるとは限らない。しかし、中国、四国地方にプロ注目の「逸材」がほとんどいないことをアタマに入れておけば、「こんなにスゴいピッチャーがいるとは知らなかった」などと、じだんだを踏んで悔しがらずに済みそうだが――。