優勝トロフィーに冠された「ウェブ・エリス」の正体とは
そもそも、なぜ優勝トロフィーが「ウェブ・エリス・カップ」という名前なのか? これは長くラグビーファンをやっている人にはよく知られているのだが、しばしお付き合い願いたい。
今から200年近く昔の英国での話だ。
イングランド中部のウェストミッドランズ都市州ウォリックシャーの小都市、ラグビーにある名門パブリックスクールでのことである。
生徒同士のフットボールの試合中に、ウィリアム・ウェブ・エリスというひとりの学生が「ボールを持ったまま走る」というルール違反をおかしたのである。そのルール違反こそがこのスポーツ(後のラグビー)の発祥だという。突然、生まれた競技は進化を遂げ、やがて校名「ラグビー校(Rugby School)」から「ラグビー」と命名されるに至った。
真実かどうかは、今となってはわからない。何度かその言い伝えを証明する、あるいは否定する検証が行われ、ラグビー校のOBを中心としたドキュメンタリー番組も制作されたが、すてきな逸話なので「どっちでも良いのではないか」と個人的には思っている。