ラグビーW杯8強で終焉…いま明かされる“桜の勇者”の全内幕
1日の手当ては野球の7分の1
「前回の日当は額面で3000円。10%の税金などが引かれて、手取りは2000円ちょっと。それと比べたらよくなりましたけど……」
ラグビー日本代表のある選手は、こう言って苦笑いを浮かべたという。
大会期間中ジョセフHCが「代表選手の日当は(額面で)100ドル(約1万円)。他国と比べてほしい。日本は報酬のためには戦っていない」と選手の日当を暴露して、波紋を呼んだ。
日当は、年間240日に及んだ合宿期間中と、テストマッチ期間中にも支払われ、年間300万円程度になる。たしかに以前と比べれば待遇は上がった。
「いやいや、ジェイミー体制になって、240日間の合宿費用などかなりのカネを使った」と協会関係者は苦笑いを浮かべるのだが、選手に近い関係者はこう明かす。
「出場給は明らかにされていませんが、ジェイミーの口ぶりからいって支給されていないはずです。ベスト8進出で1人あたり100万円の報奨金はゲットしましたが、例えばオーストラリアは1試合あたりの出場給が最低1万ドル(約100万円)。待遇改善の余地はある」
人気スポーツである野球の世界大会・WBCでは、大会主催者による勝利ボーナス以外に、日本野球機構(NPB)から1カ月で約200万円の手当が支給され、主催者からは1日100ドル(約1万円)のミールマネーも出る。故障時の損害保険も手厚い。1カ月間だけを見ると「230万円対30万円」。7分の1以下だ。
ティア1の強豪国より恵まれていないものの、日本よりさらに「劣る国」もある。
例えば、予選ラウンドで対戦したサモアは、同国ラグビー協会が慢性的に数千万円の負債を抱え、17年に破産。国際統括団体「ワールドラグビー」から資金援助を受け、何とか出場にこぎ着けた。
「トンガは13日に花園での米国戦後、台風で飛行機が欠航して身動きが取れなくなった。新幹線なら移動できたが、交通費は自腹になる。余計なカネを使えないと、代替便が来るまで何時間も待機していました」(ラグビー関係者)