FA補強より育成 阪神の来季の順位は…まあいいでしょう
■伝統のFA補強はなし?
今オフの阪神タイガースはFA補強を行わない方針だという。一部報道によると、投手の補強についてはMLBのパドレスを自由契約になった牧田和久の調査を進め、打つほうは新たな外国人大砲の獲得を目指すとのこと。確かに今年のFA市場には今の阪神の補強ポイントに合致している選手が少ないため、妥当な判断かもしれない。
もともと、阪神はFA補強に積極的な球団であった。これまで獲得したFA選手は巨人(26人)、ソフトバンク(13人)に続く12人。中でもかつての金本知憲や新井貴浩、現役の糸井嘉男、西勇輝あたりは代表的なところだろう。特に金本は「それまで弱かった阪神に革命を起こした」として語り継がれているため、金本の成功によって阪神がFA補強に味を占めたと見る向きも少なくないが、実際は金本以前から石嶺和彦や星野伸之、片岡篤史といった大物選手をFAで獲得している。
また、FA以外でも阪神は古くから多くの外様選手をトレードなどで獲得してきた。1985年の日本一に貢献した真弓明信も弘田澄男、長崎啓二(現・慶一)もしかり、それ以前の小林繁、江本孟紀といったエース格の投手もしかり、ついでに挙げると通算350勝の米田哲也も阪急のイメージが強いが、晩年に阪神のユニホームを着た時期があった。外様選手によってチームを補強していくのは、もはや阪神の伝統みたいなものだ。