ドラ1伊藤智仁は「投球美人」名言を生む“非野球人”の発想

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「ひまわりと月見草」に代表される、野村監督の表現力は秀逸である。

 なぜ、野球人が、こんな名言を繰り出せるのか。原点は、優れた観察力にあったと思う。それを言葉で表現する能力があったからで、ことは野球に限らない。

「投球美人、やな」

 1993年、ドラフト1位で入団した伊藤智仁を、ブルペンで一見して野村監督、こう表現した。

■「救世主、東方より来る、やな」

 伊藤の投球フォームは華麗と評判があった。腕が長く、テークバックが大きくとられて、腕がムチのようにしなる。ストレートは伸び、スライダーは切れが鋭い。投球フォームは「美しい」「華麗」と評価されたが、それを「美人」と表現する「非野球人」の発想が監督にはあった。

「救世主、東方より来る、やな」と、舞台ぜりふのような言い方をしたこともあった。95年の6月、広島市民球場でルーキーの稲葉篤紀が初打席初ホームランを打ち連敗を止めた。稲葉はこの日、二軍から一軍昇格、ひとりで広島入りしたばかり。プロ初出場で、チームに貢献。監督、破顔で喜びを表現した。「マー君、神の子、不思議な子」のオリジンである。

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