“長嶋超え”と大騒ぎ 原監督「歴代2位1035勝」の本当の価値

公開日: 更新日:

「原の実績はフロントの手柄だよ」

 元ヤクルト監督、野村克也氏のセリフである。

 2017年5月に日刊ゲンダイのインタビューに応じた名将は、当時、20年東京五輪野球日本代表監督の有力候補とされていた評論家の原辰徳氏(61=現巨人監督)を、「原は若い時に苦労がない。オレは『坊ちゃん監督』と言ってるんだ、原のことを。苦労がないから、細事に小事に目が届かない」と得意のボヤキでバッサリと切り捨てるや、15年の第2次政権までの計12年間でリーグ優勝7回、日本一3回と圧倒的な戦績についても、「原のその実績のMVPは渡辺オーナー(現読売新聞グループ本社代表取締役主筆)ですよ。補強をしてくれた。原の実績はフロントの手柄だよ」と喝破したものだ。

■常に他球団が羨むほどの戦力

 14日の広島戦。巨人は三回に丸の先制打、岡本の3ランなどで主導権を握ると、先発菅野が5回無失点で3勝目。今季が通算14年目となる原監督に1035勝目をプレゼントした。これで、並んでいた長嶋茂雄終身名誉監督の通算勝利数を抜き、巨人歴代単独2位となった。1066勝で歴代1位に君臨するV9の川上哲治氏の記録も今季中に抜き去るのは確実で、スポーツマスコミは揃って<原監督 ミスター超え!><球団史に残る名将>と大騒ぎ。その采配、用兵をこれでもかと絶賛しているが、ノムさんが指摘するように、常に他球団が羨むほどの戦力を持たせてもらっているのも事実だろう。

 実際、原監督は昨年までの13年間で14人のFA選手を獲得している。あの「何でも欲しがる」といわれた長嶋監督ですら、第2次政権の9年間で獲得したFA選手は7人だった。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

    岡本和真と村上宗隆のメジャー挑戦に“超逆風” 大谷バブルをブチ壊したMLB先輩野手の期待外れ

  2. 2
    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

    鈴木誠也と吉田正尚が窮地…トレード浮上も引き取り手なし、大谷フィーバーの裏で価値大暴落

  3. 3
    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

    悠仁さま「オックスフォード大進学」再浮上のナゼ…昆虫標本が充実した自然史博物館の存在

  4. 4
    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

    なぜ大谷はチャンスに滅法弱くなったのか? 本人は力み否定も、得点圏での「悪癖」とは

  5. 5
    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

    ロッテ佐々木朗希「強硬姿勢」から一転…契約合意の全真相 球団があえて泥を被った本当の理由

  1. 6
    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

    猛チャージ石丸伸二候補に広がる危機感…広島からは「あんなぁ都知事に押し上げちゃいけん」

  2. 7
    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

    「あぶない刑事」100万人突破で分かった…舘ひろし&柴田恭兵“昭和のスター”の凄みと刑事役の人材不足

  3. 8
    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

    大谷への「アジア人差別感情」は球宴ファン投票にも表れ…問題の根は深く心配な今後

  4. 9
    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

    阪神岡田監督の焦りを盟友・掛布雅之氏がズバリ指摘…状態上がらぬ佐藤輝、大山、ゲラを呼び戻し

  5. 10
    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ

    ロッテ佐々木朗希は“身内”からも嫌われた? 故障中とはいえ選手間投票でも球宴選外のトホホ