朝乃山が取り直し波乱も9連勝 新大関が破る2つのジンクス
何とか勝ちを拾った。
27日、朝乃山(26)が取り直しの末、隠岐の海を撃破。最初の一番は土俵際に追い詰められ、逆転を狙った投げを打つも同体。次の一番も苦戦しながら、タイミングよく上手投げが決まった。
これで白鵬とともに無傷の9連勝。優勝争いの先頭をひた走っている。
俗に「新大関は好成績を残しにくい」と言われている。最近でも貴景勝、栃ノ心が新大関の土俵でケガをし、途中休場。高安も9勝6敗だった。あれだけ強い関脇が大関になった途端……というのは、角界では珍しくない。
「言い方は悪いが、朝乃山は新型コロナが追い風になっている」と、ある親方が続ける。
「大関に昇進すると各地のイベントやテレビ出演、挨拶回りなどで多忙になりがちです。稽古の時間をつくるのが精いっぱいで自分の時間がなくなり、精神的に参ってしまう。さらに報道陣が連日押し寄せ、『新大関として……』『新大関の相撲を……』なんて質問を毎日される。嫌でも意識してしまいますよ。そうしたことが、今回のコロナ禍で全部吹っ飛んだ。稽古に集中できただろうし、3月場所で大関に昇進して4カ月も経っているので、心構えという意味で腰も据わったでしょう」