2024年パリ五輪「ブレイクダンス」採用にみるIOCの皮算用
その一報に首をかしげた向きも多かろう。
国際オリンピック委員会(IOC)は7日の理事会で、2024年パリ五輪の実施競技に、ブレイクダンス、スケートボード、スポーツクライミング、サーフィンを正式に選んだ。野球・ソフトボール、空手は外れた。
ブレイクダンス以外は来年の東京五輪に続いての採用となったが、音楽に乗って全身を使い、回ったり、跳ねたりするストリートダンスのひとつが五輪種目になると聞いて、納得できるオジさん、オバさんはどれだけいるだろうか。
ブレイクダンスはすでに18年ユース五輪で採用されており、「24年パリ五輪から追加競技になるかもしれない」との声は確かにあった。
しかし、国士舘大非常勤講師でスポーツライターの津田俊樹氏は、「ついに、ここまできましたか」と呆れ顔でこう語る。
「五輪は近年、莫大な経費や環境問題などから、招致に手を挙げる都市が減っており、IOCのバッハ会長は五輪存続に強い危機感を持っている。五輪を存続させるためには、テレビ中継の視聴率を維持し、新たなスポンサーも確保しなければならない。例えば日本人なら、これまで五輪を支えてきた昭和世代はやがて消えていく。ゲームなどの影響でテレビ離れが進む若者の目を、どうにか五輪に向けさせなければならない。IOCの理事たちの中にも、ブレイクダンスの五輪採用に全面賛成できない人も少なくないと思うが、窮余の策ということでしょう」