身内のマスコミに批判されても…落合監督は選手を大人扱い
先頭打者が安打で出塁し、次の打者にヒットが出たとしても一、三塁。得点するには、さらに1安打が必要だ。3連打の確率がどれほど低いかという考えなのだ。これがファンには「つまらない」と映るのだろう。試合後の記者会見を開かなかったり、情報を出さない落合政権は、マスコミを敵に回した。親会社である中日新聞でさえ、「面白みのない落合野球」と紙面上で批判したほどだ。
■「昔は酒が強かったんだ」
ただ、その分、選手を「大人扱い」した。
無死一塁の攻撃で相手に極端なバントシフトを敷かれたらどうするか。落合監督は選手の判断に任せる。勝手にバスターに切り替えて打ってもいいし、走者が走ってもいい。1、2番の荒木雅博、井端弘和の「アライバコンビ」は、よくバスターや盗塁を成功させ、チャンスを広げていた。実は荒木はバントがうまくなかった。だから例外的に「バスターエンドラン」のサインが出ることもあった。これが原監督なら、「バントをしないで1球見送れ」となる。1球投げさせたうえで、相手野手の動きなどを見て、カウントごとに作戦を変える傾向がある。落合監督はいつもシンプルに確率が高いことを選んでいた。