中国ワクチン外交に“籠絡”された IOCバッハ発言の無責任

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 その通りだ。中国にとって今回のワクチン提供の申し出は、北京冬季五輪の実現に向けてIOCに自国の存在感を示す絶好の機会と考えているからだ。まさに「ワクチン外交」そのものだが、そこには中国らしい狡猾さも透けて見える。

「中国にとっては、日本側がワクチン提供を受け入れても、受け入れなくても構わないと考えているでしょう。仮に日本側が中国の提案を断り、東京五輪パラリンピックの中止が決定的となれば、『ほら、我々の申し出を断ったから』となるだろうし、受け入れて開催となれば『我々が力を貸したから』と言い出すのは目に見えています」(スポーツ紙記者)

 もとはといえば、中国の「ワクチン外交」に揺さぶりをかけられる状況になったのも、ワクチン接種をはじめとする新型コロナ対策で、日本政府が後手後手の対応となっているからだ。

 東京五輪組織委も、IOCの言いなりになるのではなく、「ワクチン外交」に“籠絡”されたバッハ会長に対して「ワクチン費用を拠出する余力があるなら東京五輪の開催費を負担して」ぐらい言ってほしいものだ。

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