“女子プロレスの求道者”里村明衣子が語るWWE参戦への思い
仙女の機能はストップした。7人いた選手は4人に減り、3人いたスタッフはゼロになった。前代表から経営が厳しい旨を告げられると、その全権利を譲渡しようと決意した。練習してきたリング、事務所が手離されたため、急いでワンルームのマンションを借りて、新事務所にした。経費削減のため、移動車は自分で運転。大型バスの免許を取得した。ビッグマッチの午前中まで、チケット対応の電話に追われることも珍しくなかった。
「100%の力を出し切った末の解散なら、納得できました。でも、まだ力は出し切っていなかったから、やってみようと、絶対に復活してやるって思ってました。被災地に行ったことも大きかったです。石巻の体育館で、段ボールで仕切って、知らない者同士が何カ月も共同生活している状態を見た時、弱音は吐けないなあと」
テレビリポーターやラジオパーソナリティー、自伝出版や講演会、学校訪問ほか、活動の幅はどんどん広がっていった。地に足を着けた努力は実を結び、東北における女子プロの地位が上がった。
■イギリス拠点「NXT UK」に所属