“女子プロレスの求道者”里村明衣子が語るWWE参戦への思い
やがて、貢献者・里村の名は海を渡り、2018年からイギリス、アメリカを転戦。今年1月には、世界最大のプロレス団体「WWE」(米国)にコーチ兼選手として日本人レスラー初の契約を交わしたことを発表。その上でイギリスを拠点とする「NXT UK」に所属し、すでに居住地を移している。
「この10年間、私は仙女に尽くしてきました。ここで後輩に任せて、次のステージに進もうというのが、自分なりの復興の形。仙女のことを考えて、時間を費やしたらキリがないけど、ここで私が次の道に進まなければ、後輩もあとに続けない」
類まれな身体能力と圧倒的なオーラ、カリスマと呼ぶに値するスキルが買われて、単身で渡英。イギリス、米国、日本を往来する姿は、3月いっぱいで日本を離れて本拠地をアメリカに移し、3つの企業を契約・業務窓口にする渡辺直美(33)とオーバーラップする。インフルエンサー的な役割を果たすなど、共通点が多いのも確かだ。
日本の里村から、世界のメイコへ。大きな背中は、ニッポンが胸を張って送り出せる“クールジャパン”だ。
(「月刊プロレスファン」元編集長・伊藤雅奈子)