大谷が打撃タイトル獲得なら手に 年俸30億円超と長期契約

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 今季、投打の二刀流に復帰したエンゼルス・大谷翔平(26)のバットから快音が響いている。

 日本時間11日のアストロズ戦こそ5打数無安打3三振、連続試合安打も4で途絶えたものの、ここまで32試合で128打数34安打の打率.266、10本塁打、26打点。本塁打はレッドソックス・マルティネス外野手兼DHらと並んでメジャートップタイ、打点は2年連続打点王(2019、20年)のホワイトソックス・アブレイユ内野手らとともに同6位タイ。打率はともかく、本塁打、打点の2冠を狙える位置に付けているのだ。

「今季は大谷のタイトル獲得に追い風条件ばかりが揃っています」と、スポーツライターの友成那智氏がこう続ける。

「マドン監督から一発狙いの打撃を容認されているからでしょう。打率は意識せず、四球も捨てて早いカウントから仕留めに行くスタイルが目立つ。昨季までは左方向を狙っていましたが、今季はコースに逆らわずに打っている。打順を2番に固定されて打数が稼げる上に、トラウト、レンドン(左膝の打撲で負傷者リスト入り)、ウォルシュと後に続く打線は強力だけに、大谷が四球で歩かされることはまずない。相手バッテリーは大谷と勝負せざるを得ません。走者の有無に左右される打点はさておき、大谷は本塁打王の最右翼候補のひとりだと思います」

 打撃タイトルを獲得すれば、日本人野手ではマリナーズ時代に2度(01、04年)の首位打者を獲得したイチロー(現マ軍会長付特別補佐兼インストラクター)以来の快挙となる。

メジャーを代表するパワーヒッター

 大谷は今年2月に年俸調停を回避して2年850万ドル(約9億2500万円)で契約した。今季の年俸は300万ドル(約3億2600万円)、来季は550万ドル(約5億9800万円)。メジャー5年目を終える来年(22年)オフには、最後の年俸調停を迎える。

 20年1月にはレッドソックス・ベッツ外野手(現ドジャース)が、年俸調停の権利を有する選手としては史上最高額となる2700万ドル(当時のレートで約29億7000万円)の1年契約で合意した(同年7月に12年総額約390億円でドジャースと契約)。

 メジャーではベッツ、大谷の同僚でMVP3度のトラウト外野手(10年約381億円)、パドレス・タティスJr内野手(14年約360億円)らのケースを見るまでもなく、勝負強いパワーヒッターが高く評価される。大谷が今季も含めた2年間で結果を残せば来年のオフには年俸調停権を保有する選手としてはベッツと肩を並べるだけの条件を手にする可能性はある。

「すでに大谷はメジャーを代表するパワーの持ち主であることは証明された。打撃タイトルの有無にかかわらず、22年のオフにはベッツ同様、単年で30億円近い年俸を提示されるはずです。故障なく投げられれば、二刀流としての価値を加味されてベッツを抜いての史上最高額も夢ではないと思う」(友成氏)

■今オフに10年の長期契約も

 近代プロ野球では大谷が実践する二刀流は前例がない。大谷と2年契約で合意した際、ミナシアンGMは「これは間違いなくユニークなケース。難しい判断を強いられた」と、二刀流としての評価基準について説明したが、「今季、このまま本塁打を量産してなおかつ故障せずにマウンドに立ち続ければ、今オフにも長期契約を結ぶ可能性もある」(友成氏)という。

「近年、有力な若手選手に対して10年以上の契約期間を提示するケースが増えています。今後も大谷が二刀流を継続するのか定かではありませんが、今オフには10年総額2億5000万~2億6000万(約272億~283億円)規模の契約でまとまる可能性もあります」

 大谷は来年の7月で28歳。10年間の契約延長に合意すれば、少なくとも38歳までメジャーでプレーすることになる。

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