著者のコラム一覧
武田薫スポーツライター

1950年、宮城県仙台市出身。74年に報知新聞社に入社し、野球、陸上、テニスを担当、85年からフリー。著書に「オリンピック全大会」「サーブ&ボレーはなぜ消えたのか」「マラソンと日本人」など。

大坂なおみの全仏OP棄権の裏で進むテニス界の「地殻変動」

公開日: 更新日:

 テニスの全仏オープンは佳境に入り、男子の新旧対決を中心に盛り上がりを見せている。

 私が初めて全仏を取材したのは1985年で、その年の一番の話題は予選から上がって3回戦まで進んだアンドレイ・チェスノコフというソ連の若者だった。チェコ出身のナブラチロワが亡命したように、旧社会主義国は冷戦崩壊まで原則的にプロ活動への参加を認めなかった。チェスノコフの出現は、テニスが88年のソウルでオリンピックに復帰することが決まっていたためだ。

【写真】この記事の関連写真を見る(15枚)

 当時の全仏は人気がなかった。ラリーの続くクレーコートの試合はテレビの“尺”に合わず、ボルグよりマッケンローのサーブ&ボレーのようなスピーディーなプレーが求められた。

 はるか南半球の全豪オープンはさらに貧弱で日本が買収しようという動きさえあり、トップ選手はほとんど参加していなかった。いまではグランドスラム大会としてウィンブルドン、全米と肩を並べる。「グランドスラム」は4大会全制覇を指し、いまのような意味ではなかった。時代は変わったのだ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阿部巨人V奪還を手繰り寄せる“陰の仕事人” ファームで投手を「魔改造」、エース戸郷も菅野も心酔中

  2. 2

    ドジャース地区V逸なら大谷が“戦犯”扱いに…「50-50」達成の裏で気になるデータ

  3. 3

    大谷に懸念される「エポックメーキングの反動」…イチロー、カブレラもポストシーズンで苦しんだ

  4. 4

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  5. 5

    松本人志は勝訴でも「テレビ復帰は困難」と関係者が語るワケ…“シビアな金銭感覚”がアダに

  1. 6

    やす子の激走で「24時間テレビ」は“大成功”のはずが…若い視聴者からソッポで日テレ大慌て

  2. 7

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩

  3. 8

    堂本剛、松本潤、中山優馬…そして「HiHi Jets」髙橋優斗の退所でファンが迎えるジャニーズの終焉

  4. 9

    「光る君へ」一条天皇→「無能の鷹」ひ弱見え男子…塩野瑛久は柄本佑を超える“色っぽい男”になれる逸材

  5. 10

    虎の主砲・大山を巡り巨人阪神“場外乱闘”に突入か…メジャー挑戦濃厚な岡本の去就がカギを握る