阪神・矢野監督の来季続投は既定路線?いやいやV逸ならクビだってある!それか虎の歴史

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「来季続投で固まっているようです」

 3年契約最終年を迎える阪神矢野燿大監督(52)の去就について、球団OBがこう言う。

「親会社はもともと、5年程度の長期政権を見据えて、矢野監督を抜擢している。就任以来、3位、2位と来て、今季は開幕から首位を快走。16年ぶりの優勝も視野に入れており、親会社も手腕を評価している。1年ないし2年程度の契約延長で、来季も矢野監督を続投させる方針を固めているようです。先日、プロ11年目を迎えて2017年に20本塁打を放った中谷をソフトバンクへトレードしたのも、矢野監督の意向を踏まえてのもの。フロントは来季に向けた編成について、矢野監督の続投を前提に密に連携を取りながら、進めていくことになると聞いています」

 今季、このまま優勝すれば長期政権も視野に入るが、ここにきて逆風が吹いている。4月4日以降、首位を維持し、2位巨人に最大8ゲーム差をつけたものの、リーグ戦再開後は、前カードの広島戦まで5勝9敗1分けと失速。その間、2位巨人が8連勝するなど一時は1.5ゲーム差まで詰め寄られた。6日は阪神がヤクルトに勝ち、巨人が中日に敗れたため、2.5ゲーム差となったが、いつ首位から陥落してもおかしくない状況なのだ。

 岡田彰布監督時代の08年には、7月後半に優勝マジックが点灯しながら、巨人に13ゲーム差をひっくり返されてV逸。同年限りで岡田監督が辞任した。

首位陥落なら批判の矛先は矢野監督に

 ある球界関係者は、「優勝できなくても3年連続でAクラス入りなら、続投に値する成績と言えるが、阪神は特殊な球団。いくら矢野監督を続投させたくても、そうは問屋が卸さないのではないか」と、こう続ける。

「08年は北京五輪時に主砲の新井が疲労骨折し、離脱する不運もありながら、最後の最後まで優勝を争った。今年も東京五輪にエースの青柳やセットアッパーの岩崎、扇の要である梅野が招集されるが、主力に目立ったケガ人がいないにもかかわらず、早々にひっくり返されようものなら批判の矛先は矢野監督に向く。チーム状態が落ちてきてからの矢野監督は、目先の結果に追われて打順をコロコロ変えるなど、采配がブレ始めている。6月の親会社の株主総会で阪神関連の質問がゼロだったのは、あくまで首位を独走していたからですよ」

 一部の阪神ファンや関西のメディアは、調子がいい時はとことん持ち上げる一方、成績が落ちた途端に手のひら返しで監督を叩く傾向がある。今季は開幕から首位を独走。優勝の期待が膨らんだ分、それがかなわなかった時の反動も大きい。果たして、矢野監督は続投要請を受け入れることができるのか。自ら辞めざるを得ない状況に追い込まれる可能性はある。

■和田や金本の前例も

「阪神は親会社の株主や熱烈なファン、在阪メディア、球団OBの声が監督人事を左右してきた歴史がある。フロントが右往左往しかねませんよ。12~15年の和田監督時代がいい例です」とは、放送関係者。

「就任1年目から5位、2位と来て、14年は夏場に首位巨人に1ゲーム差に詰め寄る勢いを見せたことで球団上層部は続投方針を固め、それを一部スポーツ紙に書かせた。マスコミを通じて続投を既成事実化したかったのですが、9月に急失速したことで一転、白紙に。球団が2位なら続投という落としどころをつくり、チームも2位になったことで親会社は渋々、続投させた。和田監督4年目となる翌15年も、夏場まで首位を走り、球団としても続投させたかったが、終盤に失速したことで、『今年もか』とファンやマスコミがまたぞろ和田批判を繰り広げた。和田監督は3年連続Aクラスに導きながら親会社の意向で解任され、親会社が以前から温めていた金本監督の招聘に舵を切りました」

 しかし、三顧の礼で迎えられた金本監督も、4位、2位と来て、就任3年目の18年は最下位に転落。前年オフに新たに3年契約を結んだにもかかわらず、アッサリと解任された。

「阪神の監督の契約は、あってないようなものです。阪神は電鉄会社で安全第一。何より波風が立つことを嫌う。V逸によって矢野監督に対する風当たりが強くなれば続投を撤回、今季限りでクビにしても不思議ではありません」

 とは、前出の球団OBだ。

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