代表デビュー三笘薫が無策の森保監督を救う オマーン戦の辛勝を釜本邦茂氏らはどう見たのか
カタールW杯のアジア最終予選でモタついていた森保ジャパンが、日本時間17日午前1時キックオフのオマーン戦を1-0でモノにした。
勝ち点を12とし、中国と引き分けたオーストラリアと入れ替わり、初めて「W杯自動出場圏内」となるB組2位に浮上した。
救世主は、後半から投入されてA代表デビュー戦を<決勝アシスト>で飾ったMF三笘薫(24=サンジロワーズ)だ。
積極果敢なドリブル突破が三笘の真骨頂。後半開始早々、持ち場である左サイドから仕掛けてオマーン選手のファウルを誘発。このワンプレーがチームを波に乗せた。
メキシコ五輪得点王の釜本邦茂氏がこう言う。
「ほぼ普段通りの先発メンバーだった日本代表は前半、いつも通りのパスサッカーを展開。ボールの動きが、まるで各駅停車のようにノンビリとしたものに感じられ、前半シュート4本の日本の攻撃からゴールの予感は漂ってこなかった。ところが、三笘が入った後半は攻撃が活性化し、後半36分のMF伊東に送った決勝点アシストは見事だった。森保日本代表にとっては、ドリブラーの三笘が一筋の光明となった」
三笘薫をなぜスタメンで使わない?
それにしても、三笘の活躍で森保一監督(53)の無策ぶりが際立った格好だ。
「なぜ三笘をスタメンで使わないのか。そもそも招集が遅過ぎないか、という疑問が残る」と指摘する元サッカーダイジェスト編集長の六川亨氏がさらに続ける。
「森保監督は常に安全策を重視し、チャレンジができないタイプの指揮官です。なのでW杯最終予選など大事な試合は、普段通りのメンバーをスタメンに並べてしまう。0-1で敗れた10月のサウジアラビア戦でパスミスを犯し、ゴールを献上したMF柴崎を3試合ぶりに先発復帰させたが、これはチャレンジとは言えない。あくまで挽回の場を与えようという温情采配です。Jで結果を残しているDF旗手、FW前田、FW上田の3選手をベトナム戦に続いてベンチにも入れなかったことは、もう不可解と言うしかない。前田はJ得点ランク1位、上田は4位。得点力不足にあえいでいる日本代表が<旬のストライカー>を使うのは基本ですが、ベンチにも置かない森保監督のメンタリティーには、今後の日本代表の行く末に不安を感じてしまいます」
2位浮上も「本当にW杯に行けるのか?」と疑心暗鬼にさせてしまう森保監督。
マンネリ用兵指揮官に、このまま日本代表を任せていいのか――。