ロックアウト長期化もヘッチャラ? メジャー選手会が「世界最強の労組」といわれるワケ
メジャーリーグの労使交渉が一向に進展しない。
大リーグ機構(MLB)と選手会は日本時間25、26日と2日連続で協議したが、合意には至らなかった。双方とも当初の要求から大幅に譲歩はしたものの、両者の溝は埋まらないまま。日本時間28日にも再度、交渉のテーブルに着くが、主要争点である年俸総額の上限については互いに歩み寄りの姿勢は見えず、交渉は更なる長期化を招くとみられている。
昨年12月1日にロックアウト(LO)に突入。この間、契約交渉の凍結に加え、選手の給与支払いも停止される。
メジャーリーガーの口座に給料が振り込まれるのは、キャンプを実施する2月からポストシーズンが終了する10月までの9カ月間。毎月2回に分けて受け取るのが一般的だ。現在、オフシーズンだけに支障はないが、問題は球団に給与の支払い義務が発生する2月以降だ。
仮にLOが2月まで長期化すれば、すでに球団と契約している選手は2月分のサラリーを手にすることができない。
選手会では最悪の事態に備えて選手の「持続化給付金」を用意。25日付のスポーツ専門局ESPN(電子版)によれば、2月の第2週まで当面の活動費として約114万円を2回に分けて支給する。仮に支給を1球団のロースター26人に限定しても、選手会は30球団で9億円近くを負担することになる。